>大工の話
●「直接言ってくれたら半額でできるのに」
これは自分が手配した仕事ではないのですが、いい例ですからここに紹介します。
大手メーカーが手配したアパート塗装工事で塗装業者が大家さんに言った言葉です。
人によっては「なにがいけないの？」と思う人もいるかもしれません。
中には「親切な人なんじゃないの？」と思う人もいるでしょう 。
さて何が問題なのか？今回はなぜ施主に対してもマイナスか？ということに関してのみお話したいと思います。
この場合、職人のお客さまはメーカーになりそれを出し抜くような言動・ 行為は職人仁義に反することでもありますが、
こういった行動＆言動を取る人間は、私の知る限り少なくありません。
相見積りで他社と競合しているのなら相手を蹴落とそうと
そういうこともやるところはやるんでしょうが、今回はすでに工事に入っているのです。
私も応援で仲間の仕事をすることも少なくありません。
自分は仲間の仕事であってもメーカーの仕事であっても、お客さんとダイレクトにやりとりしてくれと元請からいわれない限り、その施主から名刺を下さいといわれても渡さないようにしています。
それが職人としての礼儀だと思っているからです。
こういった言動をとる人に良心的な工事をする業者、職人はまずいないというのが私の経験からくる見解です。
今回の業者もそうでした。１０年以上たった汚れの目立つ外壁塗装工事に塗装面の洗浄もなければ下塗りもしない、上塗り１回だけで終了です。
いかにメーカーから叩かれた金額条件としてもその作業はヒドイ限りです。
塗装自体も正直平均点をクリアしてるとはいえない仕事です。
目を凝らせば素人でも悪いろわかる仕事です・・・・
こんな仕事をされて、お客さんはただ安いから得したとなるでしょうか？
メーカーを通して高くなっているのですが・・・
本来ならら洗浄＞シーラー、下地補修 ＞2回塗り＆3回塗りが必要な現場でしょう。
（ここにも塗装工事に関する価格のからくりが隠されています）
在来の木造建築は高圧洗浄により内部がビショビショになることも多いので
サイディングの場合以外、洗浄することは少ないのですがこれは軽量鉄骨とサイディングパネルを組み合わせたアパートですから。
いらぬ親切するくらいならこの次はこうしましょうと提案してあげるべきです。
そうすればどのくらいの手間で、どれくらいの材料を使うのかわかるので、こんな価格ではまっとうな工事ができないとか、これは高いんじゃないか？とかがわかるというもんです。
ここの現場は新築時なんとか１０年もった外壁も半年足らずで汚れの目立つものになりました。
お客さんも勉強しないと損して影でカモだと笑われていますよ。
多くのお客さんは価格のことだけを勉強し、工事内容を知ろうとしていません。
工事はやり方でいくらでも費用が変わるものなのです。
「安さ（価格）に気を配るより、どんな作業になるのか？に注意を払ってから価格を考えなさい」が基本です。
何が得か大切か今一度考えるときが来ているのではないでしょうか？
高すぎる業者がいることも事実です、でもそれはお客さんが賢くなることで被害は防げます。
目を向ける方向を変えない限り本当の得を得ることは、良心的な業者、職人にまぐれ当たりする以外にないのですから。
まぐれ当たりってそんなに良心的な人が建築業界にいないのか？というのではありません。そういう人は積極的に外回りしたりしていないからお客さんに出会わないことが多いだけです、個別訪問なんかしませんから。
住宅関連に限らず訪問営業、電話営業の商品で得したものがありますか？私はありませんが。
●悪質なシロアリ業者に多い話
床下換気扇、調湿剤（炭）、束の追加工事、耐震金物の施工を勧めて来る業者には気をつけたほうが賢明です。
どうしても必要な家も確かにありますが私は基本的に、床下換気扇は好きではない。
最近は攪拌型を含め、能力の高いものも商品化されたので、家の床下環境によってはつけるべきところに設置すれば効果的だと感じることはある。
だが、
イメージだけで 床下に引く高額な炭をありがたがっているお客さんの気が知れない。
炭は確かに吸湿能力はあるが、それを吐き出す能力は珪藻土等に比べてかなり低く
調湿できるという意味では価値はないと考えます。
炭自体にカビが生える事だってあるんです。
うちの炭は焼き方が違う。抗菌処理してあるから大丈夫なんていうのは信じないほうがいいかと。 |
